top of page

星座やハウスを超えてつながる惑星「ディグリーコンジャクト」



ラオ式占星術の中核をなす技法といえば「PAC」。

勉強されている方にとってはおなじみの用語だと思います。

PACとはPosition、Aspect、Conjuctionの頭文字を取ったもので、惑星やハウス同士がどのようにして「つながる(絡む)」かを端的に説明した言葉です。


アスペクトに関してはずっと前に書いた「インド占星術のアスペクト・ルール」がよく読まれているようなので、よければこちらを参照してください。


PACは基本中の基本。

しかしながら、絡み方はPACだけではなく、例外もあります。

星座交換もそのひとつでしたね。ナクシャトラによる絡みもそう。

今回説明するディグリーコンジャクトはその例外のひとつ。一見PACで絡んでいないように見えて「実は絡んでいる」という現象をもたらします。



ディグリーコンジャクトとは?


コンジャクトはPACのC、「惑星同士が同じ星座(ハウス)に在住すること」です。

ディグリーとは、例えば「水星は牡羊座の12°にある」とか「月は獅子座の29°にある」とか、それぞれの天体が星座のどこに位置するかを示す数字です。

すなわち、ひとつの星座の幅である「0°~30°」の範囲内に収まるというわけですね。


ディグリーコンジャクトとは、この数字が1°以内にある惑星同士は、たとえPACで絡んでいなくても(コンジャクトのように)お互いに影響を及ぼす現象のことです。


では、以下のホロスコープをご覧ください。





例えば、この方の学業の傾向として考えられるのはどのような分野でしょうか?

理系?文系?

ここで以前説明した「ざっくり判定法」を試してみると、5室には吉星の影響しかなく、圧倒的に文芸系の傾向が強いのがわかります。


しかし、実際はこの方は歯科医師です。

なぜ5室に吉星の影響しかないのに技術系の道を歩んだのか?

それを説明するにはもちろんダシャーや分割図を見なければならないのですが、ここで注目してほしいのは惑星の度数です。


赤字で囲まれた度数に注目してみると、月と土星と火星が1°以内。

つまり、この三つの惑星がディグリーコンジャクトしているのがわかります。

5室(学業)を支配する月が土星と火星の影響を受けているということは・・・そう、ちゃんと理系・技術系の素養があるということになりますね。

(ちなみにこの方にはちゃんと文系の才能もあります)



マンデーンでディグリーコンジャクトを見る


さて、ディグリーコンジャクトはもちろん個人のホロスコープでも影響を及ぼしますが、より重要になるのは前回解説したマンデーンの分野のようです。


すでに清水先生によって詳細に解説されているところですが、元号が令和に改正された当日のマンデーン・ホロスコープをご覧ください。

すなわち、これが令和時代を象徴するホロスコープということになります。




着目すべき点はいろいろありますが、ここではディグリーコンジャクトに注目してみましょう。

赤字で囲まれた惑星はすべて度数が1°以内です。


なんと、月が太陽を除くすべての凶星(火星・土星・ラーフ・ケートゥ)とディグリーコンジャクト。マンデーンやプラシュナにおいても最も重要な惑星のひとつである月が滅多打ちにされてしまっています。

この26°という度数をちょっと覚えておいてください。


さらに、即位された徳仁天皇陛下のホロスコープ(右)と、この令和のホロスコープ(左)を重ね合わせてみます。

なんと徳仁天皇陛下のアセンダントも26°。

令和新元号改正の当日、徳仁天皇陛下のアセンダントはトランジットの四つの凶星とディグリーコンジャクトし、傷付けられていたことがわかります。

さらに徳仁天皇陛下の月も24:29と非常に近く、1°以上は離れているので正確なディグリーコンジャクトではありませんがその影響が懸念されます。


実際に改正の一年後から勃発したコロナ禍、元首相の暗殺、統一教会、そして現在も続く皇位継承問題・・・。

令和に入ってからの日本はとても平穏に収まっているとは言い難い状況が続いています。


僕も聞いた話でしかありませんが、皇室にはお抱えの陰陽師がいて、儀式の日取りの選定などを司っているそうです。

しかし、そうであればよりによってなぜ新元号の改正にこの日を選んでしまったのか・・・。

謎は尽きません。



というわけで、今回はインド占星術の絡み方(ヨーガ)のひとつ「ディグリーコンジャクト」について解説しました。

最初の例で示したように、PACだけで見てもいまいち納得できないような場合は、このように度数の影響がきっちり効いている場合も多いです。

ぜひ注目してみてください。

Comments


 Archive: 
bottom of page