子宝に恵まれるマントラ「バル・クリシュナ」と妊娠のご報告
"Sleeping Krishna" Illustrated by Image Creator
これまで、マントラの実践者として「ナーラヤーナ・カヴァチャム」「ヴィシュヌ・サハストラナーマ」という二つのマントラとその効用について解説してきました。
この二つのマントラはラオ先生が「これだけで十分だ」と太鼓判を押す万能のマントラ。
僕はこのふたつをどんな鍵穴にも合うマスターキーのようなものと考えていますが、もちろん世の中には用途に応じたさまざまなマントラが存在します。
病などの体調不良に特化した「ムリッチュンジャヤ・マントラ」などはその代表ですね。また、特定の惑星を崇めるためのマントラ、たとえば「スーリヤ(太陽神)・マントラ」なども有名です。
先のナーラヤーナ・カヴァチャムやヴィシュヌ・サハストラナーマの欠点は敷居の高さです。
詩句が長いのでなかなか覚えられないという方も多いと思いますが、これらの用途別のマントラは詩句自体短いので覚えやすい、とっつきやすいものが多いのが特徴といえるかもしれません。
というわけで今回はこうしたマントラのひとつ、子宝に恵まれるとされるバル・クリシュナについてご紹介したいと思います。
90%の確率で子供を授かる?!驚異の「バル・クリシュナ」
このバル・クリシュナについては清水俊介先生がブログ記事(AstroDiary)で詳細に解説されているので、よければそちらもご覧ください。
バル・クリシュナとは妊娠の障害を取り除く有力な救済法のひとつで、インド全土で数千年前から唱えられてきたマントラ。ハリヴァームシャというプラーナ(教典)に記載されているようです。
驚くべきは90%という妊娠率です。何年経っても子宝に恵まれない夫婦がこのマントラを毎日一定回数唱え続けると、どうしたわけかすぐに子供が授かるとのこと。
子供のクリシュナの写真に向かって詠唱しながらお供え物を捧げるというのが正式な作法のようですが、唱えるだけで、それも難しければただ聞くだけでも効果があるそうです。
・・・本当だろうか?
と思っていたところ、去年(2023年)の1月にあるご夫婦から妊娠についてのご相談をいただきました。
相談内容はすでに二人いる子供はいずれも男の子だが、もし下に女の子が産まれれば嬉しい、いつ頃挑戦したらいいでしょうかというもの。
こちらがご夫婦のホロスコープです。
入手可能な場合、家族のホロスコープも使って検証をする。これは基本原則です。
なぜなら、家族は運命共同体(Interlinked Destiny)であり、同時に経験するイベントはお互いのホロスコープに示されているはずだからです。
このホロスコープを見て僕が何を言ったかは正確に覚えていないのですが、
「女の子が産まれるホロスコープだと思うし、次は女の子の可能性が高い。2025年に入ると可能性が下がるので、できるだけ早いうちに挑戦してみては?2024年内、たぶん後半(6月以降)かな」
という旨のアドバイスをしたように記憶しています。
ちなみにこの時、ヴィムショッタリ・ダシャーのMD(マハーダシャー)は奥さんが金星期、旦那さんが火星期でした。いずれもD1において5室(子供)を支配しています。
他のダシャーを見ても、トランジットも、妊娠の兆候を示しているように思える。
「これはいけるかもしれない」と思った僕は、彼女にバル・クリシュナの詠唱音声とテキストを送り、興味があったらこれを毎日唱えてみてくださいと伝えました。
その後のご報告「妊娠しました!」
僕がバル・クリシュナを相談者の方に勧めるのは実はこれが初めてです。一体どうなるかなと思っていたのですが、鑑定から数か月経った2023年末、彼女からメッセージが届きました。
なんと、妊娠のご報告でした。
聞いてみると、彼女はバル・クリシュナのテキストをお守り代わりにして携帯し、彼女なりに詠唱に取り組んでいるとのことでした。
その後、性別もご本人の望み通り、女の子と判明。
とても喜んでいる様子が伝わってきます。
毎日一定回数詠唱していた、というわけではないようですが、彼女なりにバル・クリシュナを生活に取り入れた結果ということでしょうか。
もちろんダシャーやトランジットなどの条件が揃っていなければならないわけですが、「もしかしたら本当に効果あるのかも」と思わされる結果となりました。
ちなみに出産予定時期は2024年5月。時期としてはこちらの予想より少し早い結果となりました。
先ほども述べたように、奥さんのMDは金星期。
金星は5室(子供)と12室(精神性)を支配して8室(秘教)と9室(現世の功徳)を支配する土星にアスペクトされ、2室(声)に在住しています。
まさに「祈りが通じるダシャー」の一例ではないかと思います。
以前の記事で紹介したラオ先生のインタビュー動画でこうしたマントラやプージャーなどについて、ラオ先生は
「モラルの高い人間が実践しないと効果が出ない」
と言っています。
おそらく、今回バル・クリシュナが鮮やかに効果を発揮したのは、何よりも彼女が普段から心がけてきた人の役に立ちたいという思い、そして行動が実を結んだということなのかもしれません。
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