マンデーン占星術のホロスコープ①【新年図】
Salam!
寒波が容赦なく押し寄せてますが、みなさまお元気でしょうか。
さて、先日の記事「【基礎知識】ホロスコープにおける日食・月食(部分・皆既)」で少し新月図(日食図)のことについて触れましたが、今回はその続きです。 新月図とは、簡単にいえばマンデーン占星術で参照するホロスコープのひとつ。
マンデーン占星術とは、インド占星術が網羅する6つの分野(計算、吉日選定、etc)に含まれる体系で、主に政治情勢(地震のような自然災害も含む)を見るための占星術です。
例えば、ムフルタ(吉日選定)とは特定のプロジェクトや契約、あるいは団体が誕生する日時を選んでホロスコープを作り、行く末を占うというものでした。 マンデーンもそうした考えの延長にあり、ある国家なり政党なり、儀式や国家間の契約が交わされた日時を誕生の瞬間としてホロスコープを作ります。
さて、ここからが厄介というか難しいところですが、マンデーン占星術で使うホロスコープはそうした国家のホロスコープだけではなく、多岐にわたります。
「王がその国の命運を担う」という考えにもとづき、国家元首個人のホロスコープも使いますし、先に紹介した新月図なども使います。
そのうちを何種類かを紹介すると、例えば次のようなものが挙げられます。
① 国家のホロスコープ
② 国家元首(あるいは行政機関の代表)個人のホロスコープ
③ ヒンドゥーニューイヤーチャート(チャイトラ・シュクラ・プラティパーダ)
④ ヴァルシャファラ(ソーラーリターンチャート)
⑤ 新月図・満月図
⑥ ソーラーイングレスチャート
実際は、①と②は入手できない場合も多いです。
また、④は①から派生するものなので、これも使えない可能性が高い。
①②④が手元にない場合、最も有力な手がかりとなるのが③のヒンドゥーニューイヤーチャート(新年図)で、実際にラオ先生は新年図だけを使い、1994年に大江健三郎がノーベル文学賞(日本人で二人目)を受賞することを予言し、当てています。
新年図で一年間の命運を見る
こちらは、1994年の日本のヒンドゥーニューイヤーチャート。
ヒンドゥーニューイヤーチャートとは、毎年魚座で新月が起きる瞬間に作成されたホロスコープのこと。
日本の情勢を占いたいので、場所は東京で出力しています。魚座で新月になった1994年4月11月から、次に魚座で新月が起きるまでの約一年間がこのホロスコープの有効期限というわけですね。
ノーベル賞の発表は毎年10月。そうであればこのホロスコープで受賞の兆しが読み取れるということになります。
惑星集中の10室の強さは一目瞭然ですが、11室(受賞)で良質なラージャヨーガが多数形成され、そのクオリティを高めています。
それはそのまま5室(学業)に影響し、特に木星・金星(お互いの度数も非常に近い)の二大吉星のアスペクトは文学・芸術面における躍進を示しています。特に5室と9室の絡み※は一般に高いレベルの教育を示し、学問というテーマにおいては最良のコンビネーションのひとつ。
清水先生もヒンドゥーニューイヤーチャートについて「これだけである程度の予測はできるが、かなり限界がある」としながらも、その有効性を認めています。
ちなみに、この新年図の範囲内で起きた他の大きな出来事といえば、1994年6月27日にオウム真理教によって引き起こされた松本サリン事件です。
一見そこまでのジェノサイドに関連した徴はないように思えますが、ラグナロードの水星は減衰して8室を支配する土星のナクシャトラにあり、6室を支配する火星とコンジャクトしています。
次回の記事では、この1994年のノーベル受賞を例に挙げ、マンデーンで使う他のホロスコープについて紹介します!
※ 9室を支配する土星が5室を支配する金星に3番目のアスペクトをしている。
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