【古典を読んでみよう】ウパパダと結婚生活②
「【古典を読んでみよう】ウパパダと結婚生活①」の続き、中級者向け記事です。
前回は『ブリハット・パラーシャラ・ホーラー・シャーストラ(BPHS)』のウパパダに関する記述から、結婚生活が長く続く条件を以下のように抽出してみました。
① ウパパダ、あるいはウパパダから2室に木星か金星が在住orアスペクトする。
② ウパパダ、あるいはウパパダから2室に定座以上、あるいはナヴァーンシャで定在以上の惑星が絡む。
今回は、この条件を満たしているかどうかを実際に結婚生活を長く続けている方のホロスコープで検証してみたいと思います。
ひとつ注意点として、今回、条件にある「アスペクト」はジェイミニ・アスペクトで見ます。
ウパパダとは12ハウスのパダであり、パダとはジェイミニ占星術のリーディングの際に用いる概念です。
パラシャラ方式の概念を扱う時はパラシャラのアスペクトで見る。ジャイミニ方式の概念を扱う時はジェイミニのアスペクトで見る。これが一応の基本となりますので覚えておいてください。
※ジャイミニのアスペクトについて概略がお知りになりたい方はこちら
ウパパダ、およびウパパダから2室の検証事例
Case① 結婚生活33年
ウパパダ(以下UP):魚座
① UPに木星が在住。UPから2室に金星がアスペクト。
② UPに在住する木星は定座。
Case② 結婚生活23年
UP:獅子座
① UPに金星が在住
② UPに在住する金星はD9で定座
Case③ 結婚生活37年
UP:双子座
① UPから2室に金星と木星がアスペクト
② UPにアスペクトしている月はD9で星座交換
Case④ 結婚生活23年
UP:山羊座
① UPから2室に木星がアスペクト
② UPに在住する火星は高揚してD9で定座、同じく水星はD9で定座。UPから2室にアスペクトする木星はD9で定座
Case⑤ 結婚生活27年
UP:獅子座
① UPから2室に木星が在住し、金星がアスペクト
② UPから2室にアスペクトする金星は高揚
というわけで、以上に紹介した5人(結婚生活20年以上)の方のホロスコープにおいて、BPHSの記述(から僕が設定した条件)が当てはまっていることがわかると思います。
とはいえ、実はこの①②の条件はそれほど厳しいものではありません。
実際に手持ちのホロスコープで検証してみればわかると思いますが、僕の中では50%以上の確率で成立している印象です。
しかし、こうして眺めてみるとみなさん結婚生活をあらわす7室と8室がなかなかの傷つきっぷりですね。
僕たちが学ぶ基本のセオリーとしては7室と8室のクオリティは結婚生活の質、および維持に関わるはず。
こういうところが、現場の鑑定の難しいところだと思います。
より真相に近づくにはいろいろな視点からホロスコープを捉える必要があるのですが、結婚のテーマに関してはまた機会をあらためてご紹介したいと思います。
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