ハウスと支配星
インド占星術の基本である支配星についてのお話です。
ホロスコープのリーディングには、惑星の「在住」だけではなく、「支配」という観点が非常に重要になってきます。ホロスコープでぱっと視認できるのは惑星の「在住」だけなので、直接目に見えない「支配」という考え方は初心者には理解しづらいかもしれませんね。
しかし、この「支配星」の考え方を理解できなければ、インド占星術の学習は半歩も進まないといっても過言ではありませぬ。。。
そういうわけで今回は、ハウスと支配星について解説してみようと思います。
在住とは?支配とは?
「在住」とは、どの惑星がどのハウスに位置しているかということ。
「支配」とはその名の通り、惑星がどのハウスを「支配」しているかということ。
ラーフ・ケートゥを除く7つの惑星は、たとえば太陽なら獅子座、金星なら牡牛座と天秤座、といったようにそれぞれ支配する星座が割り当てられています。
(「惑星の象意まとめ」をご参照ください)
惑星には、それぞれ自分の治める「領土」があるということですね。これが「支配星」の考え方の土台になります。
星座と支配星
例題として、「強いホロスコープ」の条件で取り上げたマリリン・モンローのホロスコープを見てみましょう。
マリリン・モンローの木星は、8ハウスの水瓶座にある。これが「在住」です。
マリリン・モンローの木星は、6ハウスと9ハウスの支配星である。これが「支配」です。
なぜ、マリリン・モンローの木星が6ハウスと9ハウスの支配星なのか?それは、木星が射手座と魚座を支配していることからおのずとわかるでしょう。
その他の惑星も同様に考えていきます。
・太陽は2ハウスを支配する
・月は1ハウスを支配する(=「ラグナ・ロード」)
・水星は3ハウスと12ハウスを支配する
・金星は4ハウスと11ハウスを支配する
・火星は5ハウスと10ハウスを支配する
・土星は7ハウスと8ハウスを支配する
どうでしょうか?なんとなく理解できたのではないかと思います。
「支配」と「在住」でホロスコープを読み解く
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では、この「支配星」の考え方をどのようにリーディングに生かしていくのかを少しご紹介します。
マリリン・モンローは1951年、『イブの総て』に出演したのがきっかけで注目されるようになり、1953年の『紳士は金髪がお好き』『七年目の浮気』が大ヒットして一躍トップスターとなりました。
ヴィムショッタリ・ダシャーは1949年11月〜1965年11月まで木星期。
木星は9ハウスの支配星なので「幸運」を意味します。また、木星は10ハウスを支配する火星とコンジャクト(同じハウスに位置)しているのもポイント。10ハウスは「仕事、公、名声」を意味します。つまり、この木星期は仕事において成功が見込めるということですね。
また、9ハウスの支配星と10ハウスの支配星のコンビネーションは「ダルマ・カルマ・アディパティ・ラージャ・ヨーガ」といって、職業上の高みに上昇する配置でもあります。
しかしマリリン・モンローは木星期の終盤である1962年8月、自宅において謎の死を遂げます。木星は6ハウスの支配星でもあるので、「事故、病気、暴力」の象意も同時に持ち合わせています。また、木星が8ハウスに「在住」していることも大きいでしょう。8ハウスは「不測の事態、トラブル」を意味するハウスです。
このように、「在住」とともに「支配」を見ることが、リーディングにおける重要なポイントになります。