インド占星術に出生時刻が「絶対」必要な理由
「Q&A」のページにも載せていますが、インド占星術は基本的に出生時間なしでは占えません。
「基本的に」というのは、もし曖昧にしかわからなくてもお互いのやりとりによって正しい時刻を導き出せたり、タロットのように占星術を駆使するプラシュナ※1という方法もあるから。
しかし、それでも出生時刻が必要という大前提は変わりません。
なぜか?
今日はそれを少しわかりやすく説明してみたいと思います。
出生時刻とは、あなた自身を知るための「鍵」
出生時刻がわかることにより、何がわかるのか?
それはラグナ(アセンダント)の星座です。
ラグナとは、出生の瞬間にちょうど東に位置していた星座のこと。
計算方法や細かな定義などはひとまず置きますが、簡潔にいえばラグナがあらわしているのはあなた自身の立ち位置です。
あなたが生まれた瞬間、そこには気の遠くなるような過去から明滅を続ける宇宙の姿が、二度と再現されることのない星座と惑星の配置が存在していました。 では、あなたはどこからその天球の姿を見ているのか?
私たちは二本の足を持つ人間です。足場なくしてこの世界に生きることはできません。
あなたはどの星座を足場として、この広大な宇宙に対峙しているのでしょうか?
例えば出生時刻を必要としない、多くの雑誌の星占いではこのように診断します。
「あなたは牡羊座です。リーダーシップがあり、起業家精神に溢れています・・・」
ここで言う「牡羊座」は大抵、ホロスコープの中で太陽の位置している星座です。太陽はひと月ごとに星座をまたぐので、この場合出生時刻は必要ありません。
しかし、太陽はあくまで惑星のひとつ。ここには「あなた自身」という視点が欠けています。
星座に意味があるのではなく、他のすべてのことが星座の意味を決める
ここで人の一生をレストランでの食事に例えてみましょう。
あなたはお店に入って座り、食事をして、帰っていく。
「太陽が牡羊座だからあなたにはリーダーシップがある」という診断は、例えるならば
「あなたの入るお店の照明は特注のシャンデリアで非常にエレガントである」
と言っているようなものです。
インテリア。確かにそれも重要な要素ですね。
でももっと重要なのは、あなたがそのお店のどこに座るのか?ということ。さらに言えば、誰と座るのか、どういう目的で座るのか、どういう食事が出てくるのか?ではないでしょうか。
例えばテーブルの上に綺麗な花が飾られているとして、それが可憐に見えるのか、物悲しく見えるのか、それとも全く目に入らないかは人によって、状況によって違うはずです。
インド占星術は出生時刻を精密に検証し、さらにダシャー※2を活用することで、このお店においてあなたがどんな体験をするかを明らかにしていきます。
どんな順番でどんなメニューが運ばれてくるのか?そこにはどんなストーリーが秘められているのか?
多くの人が知りたがっているのは、まさにそのことではないでしょうか。
雑誌の星占いを否定するわけではありませんが、もしそういうことに興味を持ちはじめたら、ぜひ自分の出生時刻を調べてみてください。
インド占星術の門戸は、そんなあなたに向けていつでも開かれています。
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