【ジェイミニ占星術】チャラ・ダシャーの計算方法その②
少し時間が経ってしまいましたが、「【ジェイミニ占星術】チャラ・ダシャーの計算方法その①」の続きを書きたいと思います。
前回の時点で難しさを感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、今回はそれに輪をかけた煩雑さ。しかし、ダシャーの仕組みや構造を知ることはインド占星術の深淵を覗き見ることでもあります。
一度やっておいて損はありません。
少し長くなりますが、「やってやるぜ!」という鼻息の荒い方はお付き合いください。
というわけで、前回の続きです。
ダシャー・ピリオドの求め方
前回の計算では、マリリン・モンローのホロスコープを例にチャラ・ダシャーの「順番」を導き出しました。
今回は、それぞれの星座が受け持つダシャー・ピリオド(期間)を計算してみたいと思います。
基本ルール
①上の図(赤は順旋、青は逆旋)を参照して、ピリオドを計算したい星座が順旋か逆旋か把握する。
②その星座の支配星が、星座から数えて何室にあるかカウントする。その際、順旋なら時計回り、逆旋なら半時計周りに数える。
③算出した数字から1を引く。
マリリン・モンローの魚座のダシャーを例に考えてみましょう。魚座は逆旋の星座です。魚座の支配星である木星は水瓶座に在住しているため、魚座から反時計回りにカウントすると2室。2−1=1となり、魚座のマハーダシャーは1年間ということがわかります。
ここでひとつ例外則。たとえば、牡羊座に火星が在住していたとすると、順旋でも逆旋でも1−1=0となり、期間が0年になってしまいます。しかし、こういう場合はぐるーっと一周してきたと考え、13室目と考えます。つまり、13−1=12年、となるわけです。重要なので覚えておいてください。
例外ルール:水瓶座と蠍座について
さて、厄介なのはここから Σ(゚д゚lll)
ジェイミニ(チャラ・ダシャー)では水瓶座は土星とラーフが、蠍座は火星とケートゥが支配すると考えるため、支配星をどちらかひとつに決めなければならないのです。
そのための方法は以下の通り。蠍座を例にとって説明します。
Ⅰ. 蠍座に火星があって、ケートゥが他の星座にある場合→ケートゥが支配星となる
Ⅱ. 蠍座にケートゥがあって、火星が他の星座にある場合→火星が支配星となる。
Ⅲ. 蠍座に火星もケートゥもある場合→13−1=12年間
Ⅳ. 蠍座にケートゥも火星もない場合→コンジャクトする惑星が多いほうが支配星となる。コンジャクトする惑星数が同じ(もしくは何もない)場合、度数の高いほうが支配星となる
※以上のルールは水瓶座にも同様に適用される
比較的Ⅳのケースになることが多いかもしれませんね。例として、マリリン・モンローの蠍座のダシャーを計算してみます。
蠍座にはどちらの惑星もない。火星は木星とコンジャクト。ケートゥとコンジャクトしている惑星はない。よって、火星が蠍座の支配星となる。蠍座は順旋の星座なので、4−1=3。蠍座のダシャーピリオドは3年となる。
「手計算」のススメ
というわけで、2回にわたってチャラ・ダシャーの計算方法についてお伝えしてきました。
前回も書きましたが、技術の進歩した現代ではこうした計算はコンピュータがやってくれるので、血眼になっていちいち計算する必要はありません。
堕落といえば堕落ですが、代わりにリーディングの研鑽に集中できる、といった良い面もあるわけですよね。そうした意味では、Jyotish-ONEみたいな便利なアプリには感謝しかありません。
ただ、やっぱり「汗をかく」というのは大事だし、ラオ先生もこうした手計算をおこなうことは、占星術特有の「直感」を育てる側面があるということを語っていたと思います。
何より、ダシャーの仕組みを知るにつけ、「一体なんでこういう計算になるんだ?」「なんでこんなことを思いついたんだ?」と、頭の中が「???」だらけになり、ダシャーを考案した先人たちに自然の畏敬の念が湧いてきます。
そういうわけでぜひ一度、チャラ・ダシャーの手計算に挑んでみてください!
#ジェイミニ #インド占星術のキホン
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