About Jyotish Astrology
運命は決まっているのか。それは惑星だけが知っている。
運命に抗うのか。それはあなただけが知っている。
インド占星術の起源は、5000年以上前に遡るといわれます。
18人の聖仙(リシ)たちによってもたらされたその秘儀は、専ら口伝によって継承され、その命脈を(植民地政策などの危機に瀕しながらも)かろうじて保ってきました。
インド占星術とは、出生時間、出生地などをもとに「ホロスコープ」と呼ばれる天体図を作成し、様々な技法でその人の命運を読み取ろうとするものです。占星術といえば「星座占い」「西洋占星術」が主流となっている現代日本ですが、インド占星術は西洋占星術とある程度共通のフレーム(12星座など)を持ちつつも、その内容においては大きく異なります。
運命予測法「ダシャー」
インド占星術にあって、西洋占星術にないもの。それが「予言」という要素です。
「ない」というのは言い過ぎかもしれませんが、西洋占星術に比べ、インド占星術は予知・時期特定のためのシステムが整備されています。
例えば「〇〇年〇月〇日から〇月〇日の間、昇進の可能性が高いです」など。そういった具体的なアドバイスができます。
インドには「カーラ」(काल)という言葉があり、これは「時間」「神」をあらわします。
ホロスコープに記されていることは、いうなれば「神様と交わした約束」。その約束を現実のものにするには「時間」の力を借りなければなりません。
インド占星術のダシャーは、まさに「時間」を読み解くためのテクニックなのです。
星座、惑星、ハウス
「あなたは牡羊座だからリーダーシップがあり、創造的で・・・」
インド占星術では、このように星座から分析をおこなうことは(ほとんど)ありません。
もちろん一番影響を与える星座はありますが、西洋占星術とは星座の観測法も違うので、雑誌の星座占いに慣れている人はたいてい驚きます。
インド占星術は、星座の他にも、火星や木星などの惑星、そしてハウスといった要素から総合的に判断します。
映画の一場面にたとえれば、星座はロケーション、惑星は登場人物、ハウスはシナリオといえるかもしれません。映画を観る時に、風景だけ観ている人はいませんよね。あくまで、星座はひとつの要素だということです。→12ハウスの詳細な解説はこちら
そして、そうした多角的な分析を可能にするためには、生年月日のほか、出生時間が必ず必要になります。
輪廻とカルマ
インド占星術はもともとバラモン教の聖典である「ヴェーダ」の一部であり、またヒンドゥー教の輪廻やカルマといった思想を中心に据えています。
「見えた未来はあくまで可能性の一つ」「前向きな努力によって未来は変えられる」
色々な占いで、鑑定結果についてこうしたアドバイスを聞くことがあるかもしれません。
もちろんそれを否定するものではありませんが、輪廻の思想を前提とするインド占星術の立ち位置は、それとは少し異なります。
インド占星術では、ホロスコープに描かれた人生のシナリオは、その人が前世で積んだカルマの結果と考えます。つまり、前世のあなた(もしくは神)から出された「宿題」ということですね。詳しくダシャーを見ることで、「今のあなた」に課せられた宿題は何なのかが明らかになるかもしれません。
個性ゆたかな惑星たち
インド占星術には7つの惑星と、西洋占星術には登場しない2つの「影の惑星(チャヤ・グラハ)」、計9つの天体が登場します。ここでは、その個性豊かな惑星たちをご紹介します。
→9惑星の詳細な解説はこちら